建物の寿命は、材料の寿命だけでは決まらない。建物を使う人の心と、この建物を残したいという意思があれば、建物の寿命は大幅に延びる。例えば、広島の原爆ドームは、かつて広島商工会議所のビルであった。原爆で崩壊寸前となったが、人類へのメッセージとしてその形を残そうとしている。傷みのひどいこの建物は、当然崩れやすい。紫外線や風雨には、どうにか耐えているものの原形を容赦なく破壊している。この姿を歴史のメッセージとして後世に残したいと、ハイテク技術を用いながら保存しているが、あと数十年が経過したら抜本的な対策が必要であろう。このまま千年建築として残し、平和の意味を伝えていきたい。千年の耐久性は快適な住宅だけではない。歴史として残すべき文化を保存するために、正しい歴史を後世に伝えるべき使命をもっていると思う。
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