補修でも損傷した壁の除去などで大量の瓦礫が出るが、こちらには公費解体が適用されなかった。自腹である。補助金も出ない。金融公庫の融資額も低く設定され、建て替え同様に認められたのは五年間の利子補填だけだった。建て替えへの「誘導施策」がズラリと並べられたのである。この建て替え偏重の裏には「政治的判断」が働いたといわれる。被災地の人々は「ぼろ隠し(欠陥工事が招いた損壊の隠蔽)」と「災害地上げ」が建て替えを急がせていると語り合った。
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阪神淡路大震災後の建て替え偏重は、国際的な災害復旧策と比べても「異様」である。米国では前年のノースリッジ地震後、ロサンジェルス中を含む震災地域に「復興条例」が速やかに発効され、修復・補強に全力が注がれた。背景にはFEMA(連邦危機管理庁)の「災害後、過度の解体による再建は、経済的にも物理的にも復興を遅らせる」との認識がある。建物は人為的に壊してはいけないとの「教訓」が根づいている。災害に遭ったら、まず、もとに戻す。そこから新たに再出発という原則が明らかにされている。